Secret Prince[短篇]






「勝手にいなくなって、勝手に自分の家に帰って。





会議どころじゃないっつーの。これ以上、心配させんなよ。」











乱れた髪は、走った証。乱れたシャツは汗をかくほど急いでいた証。












……愛しい






この気持ち、どう表現したらいいんだろう。





好きすぎて苦しい。













「……裕二、ぎゅってして?」





貴方に触れたい。




「……やだね」










頬にある手に自分の手を合わせる。




「ゆう?」










ぎゅっ
重ねた瞬間、強く掴まれる私の手。














「……それだけじゃ、無理。俺を心配させたのは大きいから。」