Secret Prince[短篇]





声とは裏腹に大きな優しい手が私の頬を撫でる。






「…それで泣いてんの?」






そしてそのまま涙を掬う。





コクンっ
頷く私。










くすっ
笑う裕二。



そして








「付き合ってねーよ。俺の彼女は……お前だろ?」









本当に?










「…あの人、綺麗だし、私、子供だし…」





自分に自信がないから、なおさら不安になる。


あの人のほうが良いんじゃないかって。








静かな雰囲気が私達を包む。