Secret Prince[短篇]







何分お湯に浸かっていただろうか。裕二が出て行ってからとうに30分は経過していた。



出て行ったら何言われるのかな?嫌いって言われちゃうのかな?…結婚したの失敗だったって、言われちゃうのかな?



「ひっく…」



私の悪い癖。
考え出したら止まらない。


悪いほうへ悪いほうへとどんどん進んでいってしまう。





…そろそろ限界かも。



無意識に粘っていたのかもしれない。お風呂から上がりたくなかったから。でもそろそろ限界が近づいてきた。



頭がぼーっとする。







「あがろ…」




ちゃぷん、
水が少し波を打ち、私の体を濡らす。



ゆっくりと立ち上がり、
湯船から上がった。





「あ、れ…」




ぐらっと視界が曲がったような、そんな感覚にいきなり襲われた。ふらっと体が傾き、そして途絶えた。





意識が飛ぶ瞬間、
見間違えだと思うけど裕二の顔が見えたような気がした。





「…か!」



そして微かに
声も聞こえたような気がしたんだ。