Secret Prince[短篇]




私の言うことなんてお構いナシに体全部を湯船に埋める裕二。水の量が一気に増したような気がした。



カーっと赤くなる私。



「裕二!」

「んぁ?」



悪気も何もなさそうに私のほうを見る裕二。
さっきまでご飯の支度、してたじゃない!



なんでこんな所にいるのよ!



狭い湯船の中、
極限まで後ずさる私をつまらなそうに見据える。





「梨華、遠くね?」

「と、遠くない!」




遠いとか遠くないとか
その前に何かあるでしょう!



キっと睨みつけるが
完璧スルー。






と、脱力した
その瞬間。



ちゃぷん、とお湯が波を打った。







「え?え?」

「おもしれー顔。」




私の努力の甲斐あって、裕二との距離は多少離れていた…はず。なのに何故、今目の前にいるのでしょうか。




ち、近い!!!




身の危険を察したのに、
それは既に遅かった。