身構える私。
泥棒?殺人鬼?
ドアを見つめた。
ばんっ!
開くドアと同時に聞こえた、私を呼ぶ声。
「梨華!」
そこから現れたのは、泥棒でも殺人鬼でもなかった。
ここに絶対に来るはずのない貴方。
「ゆう…」
なんで?会議があるんじゃないの?
乱れた髪の毛とワイシャツ。していたはずのネクタイは見当たらなかった。
「っんの、馬鹿!」
「ひゃっ」
いきなり怒鳴られる私。
なんでぇ?怖い…
それに、怒りたいのは私だよ?
「……勝手に帰るなよ。心配するだろーが」
ベッドに座る私に近づいてくる裕二。
反射的に後ずさる。

