Secret Prince[短篇]






返事がない。

お母さん、買い物かな?









ぼふっ


自分の部屋に行き、ベッドに倒れ込む。










「…裕二、」




あの人は誰?













私は何?








あれから1時間。
会議、始まったかな?それともこれから?







きっと裕二は私が帰ったことなんて気にしてないだろう。

いや、気付いてもないだろう。










頭の中はもうパンク寸前だった。

信じたい
信じられない




対の言葉が浮かんでは消え、私を惑わしていた。














「さっきまで寝てたのに……」




いろいろ考えていたせいか、瞼が閉じていく。


















どんっ



「えっ?」








聞こえた扉の開く音。上がってくる足音。





お母さん……じゃない。お母さん、こんなドスドス歩かないもん。













じゃあ、誰?