Secret Prince[短篇]






自転車を押しながら、涙を流す。









ねぇ…
裕二にとって私ってただの遊びだったのかな?



あの綺麗な人が本命で、私は体だけ?









好き






あの言葉も全部、嘘だったの?
















「ふぇ……」








空は晴天なのに、私の心は黒く、雲っていった。









帰ろ。



気を紛らわせようと、何件かお店に入ってみたが、全然意味がなかった。










とにかく今は家に帰ろう。



「はあ…」









昨日までのあの時間がまるで嘘のように思えた。





大きなため息を着いて、私は足を動かした。

















「ただいまー」





帰ったのはもちろん裕二の家なんかじゃなくて自分の家。