「え、俺、忘れてた?」
「机の上に……」
し、視線が痛い…
ひしひしと伝わる彼女の視線。
「サンキュ。」
「う、うんっ」
中身を確認して私の頭を撫でる。
その時、
「裕二っ!その子、妹?可愛い子だね」
「え…」
裕二はぴくりと眉を動かし、その女の人のほうに足を進める。
取り残される私。
「あ、椿さんまた野田部長と話してる!」
「付き合って1年だっけ?」
「お似合いだよね!」
何処からか聞こえた声。
確かに二人はお似合いだった。美男美女。
でも1番引っ掛かったのは
「………付き合ってるの?」
じゃあ、私って何?
足が震える。
視界がぼやける。
私は話し込む二人に背を向けた。

