何故か無性に胸が締め付けられるように苦しくなった。
そんな衝動に駆られ静かに細く襖を明け外の様子を窺った。
すると。
『・・朱璃』
先ほど私を起こした声とは全く正反対の低く、儚げな今にも消え入りそうな
そんな弱弱しい声で・・・
私の名前を呼ばないで・・
段々と意識が朦朧としてきた。
私はこれが最後だという事を悟り、必死に声の主を探す。
最後だから・・・。
最後に、彼の、熾鬼の姿を探したがどこにも姿はなかった。
最後の記憶は、
視界いっぱいに広がったのは秋の紅葉だけで・・・・
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…