あくる日の月曜日、雫は4時頃、さくらんぼのチャットルームを覗いて見た。

 
 キリマンは雫の予感通り、すでに入室していた。


 「はーい、キリマン」
 「昨日は行ったわよ」
 「なぜ、来なかったの」


 「うっそー」


 「本当よ」
 「昨日 梅田駅は大変混雑していたわ」
 「右も左も ジャガースファンばっか」
 

 「とても・・・」
 「信じられない」

 
 「それでも 必死で探したわよ」
 「キリマンの嘘付き」


 「本当かよ」
 「あんなに探したのに」
 「見つけられなかった」
 「畜生!」


 「キリマンも来たの」
 「でも、あの人込みの中ではね」


 「悪いのは、僕だ」
 「阪神戦があれば 混雑するのは当然」
 「もっと 周到に調べておけば良かったよ」
 「メッキー ご免ね」


  信彦がパソコンの前で頭を下げた。