雫はキリマンに、姉パンツ事件の事を話すつもりでいた。 でも、キリマンの事を考えて、話さないで良かった、と雫は思った。 キリマンは会社が倒産して大変らしい。 苦労しているのは、自分だけじゃない。 そう考えるだけで、3人組のいじめと戦える勇気が、雫には湧いてきた。 雫は机の引き出しからチョコレートを取り出し、口に入れた。 ほろ苦く濃厚な甘さが、口の中に広がった。