瞬間視聴率がこの時間としては、異例の高さを示した。


 日本列島のお茶の間は、余りの衝撃に腰を抜かすほど驚いた。


 テレビ局には女子生徒の安否と、いじめを放置した学校への非難の電話が、鳴りっぱなしに響き渡った。


 雫は宙に浮いていた一瞬の事は、良く覚えていなかった。

 あっという間の出来事で、気が付いたら、網の中にいた、と言う感じだった。


 誰かにすぐに抱きかかえられ、救急車に乗せられ、近くの病院に運ばれていた。

 どこかを打ったり、骨を折ったり、怪我をしたりしたという感覚は、自分の中では無いと言って良かった。


 雫は落ちている間、スカートがどの程度めくれ上がり、ショートパンツがどう映っていたか、それが一番、気になっていた。


 病院でもしあのシーンのビデオを見る機会があれば、出来るだけ早く点検したいと、雫は救急車の中で考えていた。