「どうしたの、何かあったの」


 保は雫にじっと見詰められていると、何もかも見透かされているようで、嘘は付けないと思った。


 「うん、4人組にめちゃめちゃに刈られたんだ」

 「そうだと思ったわ。私先生に言いつけてやる」

 「言わないで」
 「どうして。言えない訳でもあるの」

 「うん」
 「お願い、その訳を教えて」

 「分かったよ。言うよ。実は・・・」
 「どうしたの」

 「実は・・・実は、先生に言いつけたら、あそこの毛をツルツルにされるんだ」

 そう言って、保は顔をポーと赤らめた。


 「許せない。私、絶対に許せない」


 この時、雫はある事を必ず実行しよう、と固く決意をした。

 男子生徒4人組も、女子生徒3人組も、いじめにたいする学校の対応も、絶対に許す事は出来ないと、雫は真剣に考えていた。