としサバ

 3人の女子生徒は、男子生徒とは、全く違った反応をした。
 3人は雫を取り囲んだのだ。


 「あんたは口出さんといて」
 「ちょっと成績出来るからって、ええ格好せんといて」

 「姉のパンツはく方がおかしいのとちゃうの」
 「そや、そや」

 「皆でいじめて、吉岡君が可愛そう」

 雫が3人を見て一言。




 「姉パンツが可愛そうやて。それやったら、あんたのパンツはかせたり」



 3人のひとり、宮崎葵が雫のスカートに手を入れ、パンツをもぎ取ろうとした。


 「宮崎さん、やめて。それ以上したら、先生に言い付けるから」

 「先生、先生、何でも先生や。これやから優等生は嫌いや。覚えとき」

 捨てぜりふを言うと、3人は自分の席に走って戻って行った。

 こんな事件があって以来・宮崎葵、山下みちる、渡辺リンの3人は、雫を目の仇にした。


 
 雫は3年生の時、父親の転勤で、東京の青山小学校から、西宮の砂浜小学校に転入して来た。

 関西は嫌いではなかったが、関東の方が自分には水が合っていると、雫はかねがね思っていた。

 イヤなことがあると、なおさらである。