恋愛短編



「この生徒手帳、引き出しに入れたの白石?」




「―――!なん……で?」



何で知ってるの?
まさか、見られてた?
誰も居ないと思ってたのに。



「白石って、俺の事好きでいてくれてたと思ってたけど、違った?」



「っ………!」

それもばれてた。
当たり前だけど。




言葉を探して黙っていると、腕を掴む手に力がこもって。




「何で逃げんの?」


「それ……は……」



神崎くんには好きな人が居るから。


好きになっても叶わないから。

神崎くんが好きなのは、私じゃないから。




改めて考えていたら、言葉より先に涙がポロポロ溢れてきた。




「えっ!?ちょ……え!?」



尖るような声が、一瞬で柔らかいものに変わる。


びっくりしてる。



違う……、泣きたいんじゃないのに。