恋愛短編



社交辞令で「読みたい」って言ってくれたんじゃないんだぁ。




「あいつの後ろから二人で「わぁッ!!」って驚かしてやんない?」



「えぇ!?そんな…」




何その悪魔の提案



そりゃあなたは気軽に出来るでしょうけど!




「いいから、いいからー」




手を引かれそっと気付かれないように神崎くんの背後へ。




川口さんが口に人差し指を当て、内緒を意味をするポーズとる。



そして神崎くんの背中を叩くためにアイコンタクトで両手の平をスタンバイする。




唇の形だけで「せーの」の言葉を読み取り。




「わっ!!」


「わぁっ!?」




神崎くんの背中を思い切り叩いた。




声を出したのも、背中を叩いたのも、ほとんど川口さん。



ためらいもなく行くから凄い。




私は、制服ごしに体温を手の平に感じただけで、こんなにドキドキしてるのに。