次の日、寝坊をして急いで登校をしてみると、すでに私の隣の席に彼が。
間に合った、まだ先生来てないみたい。
自分の席に着こうと、教室に入ると、
「あっ!白石さーん!おっはよー!!」
私の姿を見つけた川口さんが、右手を大きく上げて、朝の挨拶をしてくれた。
川口さんに「おはよう」って言葉を言われたのは初めて。
びっくりした。
「ねーねー、聞いてっ!誠ね、朝からずっと昨日の本読んでるの!あの絵ヅラ超ウケるし。見て見てっ」
指を差された場所を見ると、机にハードカバーの本を開いて立て、だらんと猫背になって、少々行儀悪く座る神崎くん。
私の本、読んでる。


