「ふはっ、逆に意味わかんねーから」 逆に? 「俺も帰ろーっと」 神崎くんがバックに物を詰める。 私の本は、最後に上に乗せるようにしてファスナーを閉める。 私の持ち物が、神崎くんのバックの中に…… なんだろう。 それだけなのに、凄く嬉しい。 なんか嬉しい。 「ばいばい、本借りてく。また明日ー。」 「う、うん!ばいばい……」 また明日。 明日になれば、また隣同士。 早く……朝になればいいのに…… こんなこと考えてしまうなんてほんとに、厄介。 こんな幸せな悩みごと、今まで無かった。