隣には巧が座っている。
そして、今も講義中というのに、内容が全く入ってこない。
「杏、あんたなんかあったの?」
怜奈が小声で私に聞いてきた。
私は少し悩んで、結局、怜奈には巧とのことを話そうと思った。
しかし今はその本人が隣にいるので自分のペンケースの中からメモ帳を取り出し、
『隣の人は実は元彼なんだけど、私のこと気づいてないみたいだし、気づかれたくないからだまっててね。』
と書いて無造作に折りたたみ、巧に気づかれないように怜奈に渡した。
急にメモを渡された怜奈は少しびっくりしていたが、すぐに気づいた様子でメモを読み、私にむかって右手の親指を立て、にこりと笑ってみせた。
私はひとまず胸をなでおろした。
その講義は、何事もなく無事に終わり、今は怜奈と大学から5分ほど歩いたところにある行きつけの喫茶店にいた。
「…で?」
私がケーキを食べていると、怜奈が話しかけてきた。
「…でって?」
いきなり『で?』と聞かれた意味がよくわからず、思わず聞き返した。
「いや、さっきの人だよ!」
「あー…」
なんとなく、聞かれるとは思っていたけどね…
「あー…じゃなくて‼ 詳しーくきかせてよね。」
「うん…あのね…」
それから私はずっと巧のことが好きで、中2のときに告って付き合ったが、好きな人ができた、という理由でふられたことを全部話した。
「もう、忘れたいんだよ。」
これが素直な私の気持ちだった。
「杏がそれでいいならいいんじゃないー? それで後悔しないんだったらね。決めるのは杏なんだしね。」
怜奈は紅茶をかき混ぜながら私にそう言った。
「怜奈らしいね。」
適当に考えて、適当に言っているように見えるけど、私が答えを出しやすいように話してくれる。相手に一番良い決断をしてくれる。それが怜奈の一番のいいところだ。
怜奈は私の言ったことを聞いて、
「いつでも相談のるからね。どうせ、相談する人もいないでしょ!」
と、笑いながら言った。
そして私もつられて笑い、
「じゃあ今日はぱあーっと飲もっか!」
そう言って、私と怜奈は喫茶店をあとにした。
そして、今も講義中というのに、内容が全く入ってこない。
「杏、あんたなんかあったの?」
怜奈が小声で私に聞いてきた。
私は少し悩んで、結局、怜奈には巧とのことを話そうと思った。
しかし今はその本人が隣にいるので自分のペンケースの中からメモ帳を取り出し、
『隣の人は実は元彼なんだけど、私のこと気づいてないみたいだし、気づかれたくないからだまっててね。』
と書いて無造作に折りたたみ、巧に気づかれないように怜奈に渡した。
急にメモを渡された怜奈は少しびっくりしていたが、すぐに気づいた様子でメモを読み、私にむかって右手の親指を立て、にこりと笑ってみせた。
私はひとまず胸をなでおろした。
その講義は、何事もなく無事に終わり、今は怜奈と大学から5分ほど歩いたところにある行きつけの喫茶店にいた。
「…で?」
私がケーキを食べていると、怜奈が話しかけてきた。
「…でって?」
いきなり『で?』と聞かれた意味がよくわからず、思わず聞き返した。
「いや、さっきの人だよ!」
「あー…」
なんとなく、聞かれるとは思っていたけどね…
「あー…じゃなくて‼ 詳しーくきかせてよね。」
「うん…あのね…」
それから私はずっと巧のことが好きで、中2のときに告って付き合ったが、好きな人ができた、という理由でふられたことを全部話した。
「もう、忘れたいんだよ。」
これが素直な私の気持ちだった。
「杏がそれでいいならいいんじゃないー? それで後悔しないんだったらね。決めるのは杏なんだしね。」
怜奈は紅茶をかき混ぜながら私にそう言った。
「怜奈らしいね。」
適当に考えて、適当に言っているように見えるけど、私が答えを出しやすいように話してくれる。相手に一番良い決断をしてくれる。それが怜奈の一番のいいところだ。
怜奈は私の言ったことを聞いて、
「いつでも相談のるからね。どうせ、相談する人もいないでしょ!」
と、笑いながら言った。
そして私もつられて笑い、
「じゃあ今日はぱあーっと飲もっか!」
そう言って、私と怜奈は喫茶店をあとにした。
