私には、二人の幼なじみがいる。

 隼斗とナツくんは、私の中では小さい頃からのヒーローだ。二人そろうとどんな悪者も退治してくれて、いじめっ子からも意地悪な人からも私を守ってくれた。

 高校生になると、二人とも背がすごく伸びてかっこよくて、相変わらず優しくて、バスケがうまくて、あっという間に学校の人気者になった。

 二人はいつも色んな人に話かけられていたし、私とは全然違う。

 少し遠くにいっちゃった二人を、なんとなく寂しいなと思いながら過ごしていた私に声をかけてくれたのが美咲だ。 好きなミュージシャンが一緒だったからって理由もあるけど、私はすごく嬉しかった。


 二人で色んな話をしたし、色んな秘密も共有した。女の子でこんなに仲良くなれたのははじめてだ。


「実は、私好きな人がいるんだけど、穂香にしか教えないからね」


 高校ではじめてできた友だちが、私だけに自分の秘密を教えてくれる。

 私は嬉しかった。胸がドキドキして、美咲の恋が成就すればいい、って本気で思った。



「私、応援するよ!」


「穂香なら、絶対そう言ってくれると思った。バスケ部のナツくんなの……」


「な……ナツくん?」



「別に、彼女になろうとか、そういう事は考えてないんだけど……ナツくん人気あるでしょ?」



「う、うん……そうだね」