『隼斗は優しいからね。困ってる人助けてあげたんだよね?』


 助けたんだか、助けられたんだか分からない。



「穂香、会えなくてごめんな」


『ううん、いいよ。今日はこれからお母さんと買い物行くんだ』


「そっか、じゃまた明日連絡するよ」


 今日、穂香と会わなくていいとわかって安堵している自分がいた。


『うん、またね』


 バスルームが開き、白いバスローブを着たお姉さんと目が合う。


「おう、またな」



 通話を終えると、お姉さんから視線をそらした。自分の着替えをかき集めた。



「シャワー浴びたら? 朝ごはん作るよ」



「いいです。帰ります」



 窓の外は昨夜の雨が嘘みたいに晴れていた。

 綺麗な青空が広がっていたんだ。