「今、起きたとこ」


 うーん、と伸びをして目をこするお姉さんがめちゃくちゃ可愛くて、どうしようもなく抱きしめたくなる。



 彼女は起き上がると、昨日俺が脱がしたワンピースを頭からかぶった。


「シャワー先に浴びるから待ってて」


「はい。待ってていいんですか?」



 彼女は俺を無視してバスルームに消えた。


 人の話きいてねぇし!


 ってか、ナツよりマイペースだ。




 風呂場からシャワーの水が跳ねる音が聞こえると、俺の携帯が振動した。


 穂香だ。出ようか、出ないか悩んだ末に通話ボタンを押した。



「穂香……」


『おはよ隼斗。昨日雨大丈夫だった?』


 いつもの穂香の声に一気に罪悪感が増す。


「すげぇ参ったよ……」


 別に嘘をついてはいないけど、まさか俺が違う女のベッドの上にいるとは思ってないよな。