「んっ……んん、隼斗……」



 夏休みが始まって、夜は互いの家を行き来する。

 空いてる時間はDVDを一緒に観たり、宿題をしたり……


 乱れたベッドの上で折り重なるように熱いキスをしたり……



「隼斗、待って……ダメ……」


「ダメって、今日もダメか? 俺たち付き合って一年たつぞ」



「ごめん、隼斗……」

「謝らなくていいよ」



 ベッドに腰かけると、全身の血の気が引いていった。

 穂香に拒まれるのには慣れている。だけど、無理強いだけはしたくない。それは俺のプライドも許さない。



 穂香の気持ちが、いつか俺とキス以上を望む日がくるまで待つって決めている。