「ええっ? 今の何? 隼斗くん、私に何したの?」 自分の唇を手で押さえて、右往左往する穂香が可笑しかった。 「キスだよ」 「き、キス? だって、キスって恋人同士がするものだよね? 好きな人とするものでしょ?」 「そ、だから穂香にしたの。俺、穂香のこと大好き」 ライクでもラブでもどっちでもよかった。 穂香の腰に手を回す。真剣な眼差しで、顔を覗きこむ。 「穂香、嫌だったか?」