ナツと穂香は、俺と同じ年の弟と妹みたいなものだった。


 物心ついた時から一緒にいて、いつも二人を世話してきた。

 穂香が幼稚園で苛められ時はいじめっ子を殴り飛ばしてやったし、ナツが悪戯して先生に怒られた時は俺も一緒に謝った。




「穂香、目つぶってみろ」


「え? こう?」


 きょとんとした表情が何とも言えず可愛い穂香は、なんの疑いもなしに目をつぶる。


 穂香を好きだと気がついたのは、いつからだろう?

 妹みたいにかんじてた穂香だけど、俺はずっと別の感情を抱いてたのかもしれない。その感情は、ライクなのかラブなのかよくわからなかっただけ。



 絶対に他の男に渡したくない。そう思うようになったのは高校に入学してから。

 俺は穂香を好きだという男が現れるたびに俺は、穂香のことを何も知らないくせに勝手に好きになるんじゃねーよ、と心の中で叫んでた。いや、実際何度か本気で叫んだかもしれないけど。

 こんなことしてるなら、自分の女にしてしまえばいいんだと気がついた時、俺は即行動にうつした。


 部屋に遊びにきた穂香に目をつぶらせ、その唇を奪う。


「えっ?」


 誰もしたことがない穂香の唇に、一番にキスしたのが俺だ。当然だろ。穂香の唇は俺のもの。