荷物抱えてプールに直行。我先にとシャワー浴びて水しぶきを上げてプールに飛び込む。



「あー! 生き返った!!」


 思い思いに水に浸かった。俺は大の字でプールに浮かぶ。



「あれ? 隼斗が来てない」


 部員が皆いるのに、隼斗だけいない。


「電話してたよ。多分可愛い穂香じゃねーか?」

 隣にいたセンターのヤスが答えてくれた。



「いーな! 彼女!」


 冷やかしの声があがる。プールより、穂香か……


「うらやましいよな。あんな可愛い彼女がいてさ。男バスで彼女いるの、隼斗だけじゃね?」ヤスが平泳ぎしながら言った。


「あれ、そーいえば。ナツは別れたのか?」高野がきいてきた。


「誰と?」


「おまえ、すっごい美人のお嬢様と付き合ってたじゃん! 最近練習見に来ないな?」



「ああ、茉莉果か。アイツとは付き合ってないよ。金持ちが庶民の生活にちょっと興味もっただけだって執事が言ってたし」


「もったいねーな! なんでお前たちばっかモテるんだよ! ムカつく!」


 ヤスと高野から水かけられて、やり返す。バシャバシャとしぶきあげながら、大声だして笑った。


 その隙に、隼斗がシャワーを浴びてプールに飛び込んだ。


「あー生き返る!!」


「アハハ! ナツと同じ事言ってる!」


 ゲラゲラと笑われた隼斗は「一緒にすんな!」と逆ギレした。



「隼斗、穂香と電話してたのか?」


「まぁな……」


 それだけ言うと、隼斗は大の字でプールに浮いた。無防備だから、顔に大量の水をかけてやる。


「ぶはっ! 鼻に入った! オマエ俺を殺す気か?」


「マヌケ!」




 そのうち部員全員巻き込んで水の掛け合い合戦が始まって、部活より暴れた。


 たまたま通りかかった水泳部の主将は「男バス! プールの水がなくなるだろ! やめろー!」と叫んで頭から水をかけられてた。