放課後、部活を休んで一人で隼斗の入院している病院に向かった。
昔入院していた病院と同じだ。
バスを降りて、正門から病棟まで歩く。
病棟の白い壁面に、赤く色づいた木々が寂しく映えている。綺麗な紅葉も、赤く散る葉も、ここが病院だと寂しく見える。
隼斗の病室は四階の個室で、扉は開いたままになっていた。
「隼斗ー、俺だけど」
「お、ナツ……」
入院着を着てるから弱そうに見えるけど、ベッドのリクライニングを起こして、元気そうな顔をした隼斗に少し安心した。
「見舞い」
コンビニで買った漫画とスナック菓子をサイドテーブルに置いて、パイプ椅子を掴むとそこに座る。
隼斗とこうして一対一で喋るのは久々で、なんとなく気まずい雰囲気がお互いにある。


