部屋に入ると蒸し暑い空気をかき混ぜるために扇風機のスイッチを押した。 それから、濡れた制服を脱ぐ。 全部隼斗のせいだ。隼斗が悪い。 グラスの氷がカランと音をたてた。 窓を叩きつけるような雨音は強まるばかり。 葵さんの愉しそうな笑い声が下から聞こえてきた。 俺の長い夏休みは、まだ始まったばかりだ。