電光掲示板の点差が三点になる。
「穂香……」
なんで、こんな時に限って穂香がいないんだろう。
「隼斗、お前怪我とかじゃないよな? なんでボール落とした?」
顧問がタイムを要求した。こんな時試合中断したって、こっちも休めるけど、相手も休ませてやることになる。
「悪い……」
ペットボトルの水を一口飲むと、隼斗はベンチに座りこんだ。
「足か?」
隼斗にだって弱点はある。昔の事故の後遺症で一度刺激をうけて痺れだすと止まらなくなるんだ。
小さく頷いた隼斗の頭に白いタオルをのせた。
「選手交代か……」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…