────相手チームのディフェンスとディフェンスの間のほんの小さな隙間を抜けた絶妙なパス。

 さすが隼斗…………ショットクロックは、よし、まだ十分ある。



 フェイントをかけてディフェンスをかわす……くそ、まだ一人いやがる……さすが決勝戦の相手。


「ナツっ!」


 隼斗の声がする。それを無視してダブルクラッチでシュート。



「リバウンド!」


 ヤスが高く飛んでボールは隼斗へ、ターンアラウンド……ボールはリングに吸い込まれる。


 やっぱ……隼斗はすごすぎる。



「ナツっ! 落ち込むな、次がある」


 ヤスに肩を叩かれて、汗を拭った。


「落ち込んでねーよっ!」