「俺たち恋人になっても、うまくいきそうじゃないですか?」


「ありえないよ、高校生」


 そうですか? と笑いながら、彩さんの顎にそっと手を添えた。


「俺、理学療法士になりたいんです。大学も専門の大学を受験します。来週からインターハイ予選が始まるんですけど、それが終われば受験生です」


 彩さんは、じっと俺を見つめる。穂香よりも熱く、俺のキスを待ってくれている。



「理学療法士目指す大学生の彼氏ならありえます?」

「悪くないかも……」


 触れた唇が予想以上に冷たくてびっくりした。こんな綺麗な人なのに、ちゃんと俺のこと待ってくれるのか心配だけど…………暖めたい
、俺も暖まりたい。