「隼斗の家行って何する予定だった?」 「何、って何? 試験終わったから、観たかったDVDみようって約束してただけだよ」 穂香は落ち着きなくポニーテールからこぼれた髪の毛を耳にかけたり、前髪をいじったりして俺から顔を背けた。 「ふーん、怪しい」 「ナツくんも来れば?」 「いーよ。俺、邪魔だし」 「邪魔って? そんなわけないじゃん! なに言ってるの、ナツくんらしくないよ」 穂香が怒鳴ると、手に握り締めていた携帯が振動した。 「電話、隼斗からだろ。出ないの?」