その手には煙草……


「さすが姉妹だな、そっくり! 智香を清楚にしたかんじー。お姉さんも、一緒に遊びませんかー?」


「無理無理、おねーちゃん、超イケメンの彼氏いるもん。たまには隼斗、私に貸してよね」



 智香も煙草を口にくわえた、ライターを近づける。



「だ……ダメッー!」


 私は急いで煙草を取り上げた。その拍子に智香を突き飛ばしてしまい、智香は床に頭を打ちつけた。



「ってぇーな! なにすんだよ! ドジ!」


「煙草なんて吸っちゃダメでしょ! お母さんが知ったら悲しむよ……」


「ババァは関係ねーんだよ! 返せ!」



 智香は私の手から煙草を奪うと火をつけて、煙を吐き出した。