扇風機の前から、ベッドの上に隼斗が移動する。
ギシッとベッドが音をたてた。
「正座辛くない?」
「ううん、ぜんぜん……」
隼斗がリモコンを使って部屋の明かりを消す。
いよいよだ。
後頭部を優しく撫でられてベッドに押し倒された。覆い被さるように隼斗が上になる。
「そんな緊張した穂香も可愛いよ……」
歯磨きもちゃんとした。今日はいつもみたいな優しいキスじゃない。
舌と舌をからませる大人のキスだ。隼斗の動きに合わせて、キスを受け入れる。
「……っんん」
静かな部屋に厭らしい音だけが大音量で響いてる気がした。途端にすごく恥ずかしくなった。


