「穂香、お待たせ……って何正座してんだよ? テレビ見てるか漫画読んでろっていっただろ」 「うん、そうだけど……」 私の次にシャワーを浴びてきた隼斗は、黒くて艶のある髪をタオルでゴシゴシ拭いた。 バスケで鍛えた上半身は何も着ていない。ハーフパンツ姿で扇風機の前に座り、強風のスイッチを押す。 「あー……涼しい」 そのリラックスした表情に余計緊張した。 「今日観たDVDいまいちだったな……? 前作の方が面白かったよ」 「そ、そうかな? 私は嫌いじゃなかったよ」 「ふーん。そう」