「あっ、お迎え来たみたい。」



ドアの方を見ながら、亜季が優しい表情を浮かべながら言う。



「うぅっ、海斗…。」


寝ていた筈なのに、何故か泣いている美海がドアの前で立っていた。



「どうした?」


「何で居なくなっちゃうんですかっ…!」


「あははっ!…海斗、部屋に戻ってあげなよ。」



亜季が珍しく声を上げながら笑った。


俺も釣られて笑う。



「ははっ、だな。お姫様を早く慰めねえと。」



俺は、泣いている美海を自分の胸に抱き寄せる。



「お休み。」


「おやすみー。」



快い気分で、俺は部屋へと戻った。