「あっ、これ忘れてた。」


゛これ゛とは、一ヶ月前からうきうきしすぎて、勢いで買ってしまったネックレス。



美海、喜んでくれるかな?


美海の反応を考えるだけで、口元がニヤニヤと緩んでしまう。



「亜季さんー?まだですかー?」


「今、行くよ。」



ネックレスの小箱、携帯に財布。



それだけをズボンのポケットに押し込んで、部屋のドアを開けた。