長くて艶のある金色の髪。 白く透き通った肌に、折れそうなくらい細い手足。 美海にしか見えなかった…。 顔は見えないけど、その後姿は美海にしか、見えなかった。 ハハッ…幻覚だったりしてね。 それでも、俺は声をかけようと、白くて細い肩に手を置いた。 「美海……?」 スゥ… 肩に置いた筈の手は、通り抜け、空気を掴む。 まぢで…幻覚じゃねえか。 イラ立ちを隠せない俺は、周りにある物に適当に八つ当たりした。