私はそっと唇を離そうとした。 「美海……!」 「んっ…ぅ…」 …懐かしい。 まだ、そんな時が経った訳でもないのにそう、感じた。 貴方の優しい私を呼ぶ声。 貴方の激しく、優しい甘いキス。 「私が解りますか?」 「俺の大切な恋人の美海。俺の初恋の人魚。姫乃。………こんな近くに居たんだな。」 海斗は、頬に落ちた海斗の涙を指先で拭いながら言った。