テラテラと光る水面に浮かぶ、満月。 そういえば、君と初めて出会ったのも今日の様に綺麗に満月が浮かぶ海の日だった。 うっ…うぅっ…… 私のすすり泣く声が静かな海に広がっていた。 ザクッ、ザクッ、ザクッ 海の方から誰かが歩いてこちらにやってくる音がした。 誰かなんて、見なくても解る。 「…姫乃様、お別れはお済みになられましたか?」 「…ハルル、何で?」 「何が、ですか?」 感情の無い瞳。 全部、ハルルがやったに決まっている。