親友の失恋はこっちまで苦しくなるから、心臓に悪い。
そしてまた、空未は架嗄のことを好きになる。なんだか、アタシって複雑な位置。
「架嗄は明日帰るの?」
「2泊3日で泊まるー」
「えっ、アタシ聞いてないよ?!」
「うん、だって言ってないもん」
予想外の展開に唖然。我慢しているようだけど、空未は嬉しさのあまり、口許が緩んでいた。おいおい。
「つーか、俺の部屋は?」
全く図々しいヤツ。空未がもとは物置に使う予定だった部屋(?)を指差し、“ここ”と言った。
「俺の扱い酷くね。ま、ゴミ貯まってねぇのだけましか」
-----ん?
今、失礼なこと言いませんでしたか。褒めてるようで、貶されてませんでした?
「はぁ?
文句あんなら、祐紗兄ん家に泊まればいーじゃんかぁー!」
「祐紗兄ん家は彼女が来るからって断られたんだよ!」
「知らないっつーの」
そこで空未が仲裁に入り、その場はなんとか収まった。よくある兄妹喧嘩なので、温かく見守ってやってください。
そして就寝前には、アタシ達の部屋には絶対に来るなと忠告した。
今日は待ちに待った日曜日。
「試合観に来いよ、彼南汰もくるし♪」

