隣を見たら、ギュッて胸を抑えつけられたような錯覚に陥り、瞳が離せない。
「縁結びかー、念入りに拝んどかなきゃなっ♪」
頭ん中は真っ白で、架嗄のことしか考えられない、夢中になった。
「おいっ、何、固まってんだよ。行くぞ」
ふいに手を引かれて走り出した。手から架嗄の熱が伝わって、熱くなってきた。架嗄の手、温かくて大きいな。修旅なんかどうでもいいから、このまま二人で誰も知らない国にでも行っちゃいたいよ。
「-----か、かずさっ」
急に立ち止まったから、架嗄はこっちを向くの。顔を見るのは恥ずかしいから、目線を外して、握っていた手で耳に髪を掛けた。
「-----あ、のさ。もしかしたら、知ってるかもしれないけど、」
「-----うん」
「迷惑だったら、ホントごめん。
えーっとね、えーっと、架嗄のこと…す、すっ、好き……です」
「-----うん」
-----沈黙
本当に勢いで告っちゃったよ。人生初の告白をしてしまったのですよ。恥ずかしすぎて穴が在ったら入りたいって、この事を言うんだなって身をもって体験したよ。
てかその前に、“うん”で終わり?
しかも、やたらと沈黙が長い。
「なんか、ごめん」
「なんで謝んだよ」
「だって、しらけたから」

