「んでさ、俺の弁当持ってねぇ?」
「-----はいよ」
なんだかんだ言って、とっても優しい羽海。そんな羽海をいじるのが大好きな架嗄。
「まじ、さんきゅー♪空未ちゃんもあとでねー」
嵐のように絨毯の上を颯爽と走り抜ける後ろ姿がすごく様になっている。
「-----なんだアイツは」
呆れた様子だったけど、それが羨ましい。
「これから修学旅行の班決めをするぞー」
先生の一声で教室中が湧く。
クラス別けは中学に入ってから初めての架嗄と同じクラスになり、当然のように羽海とは違うクラスだった。それがショックだったけど、架嗄と同じクラスになれたのは、なぜだか、本当に嬉しかったんだ。
クラスの友達と一緒の班になろうって話してるけど、ホントは、誰よりも一緒の班になりたくて、横目で君ばっかり気にしてた。
「なぁ、班一緒にならねぇ?」
いくら誘われても断って、君からの誘いを待っていた。
でも、君はやっぱり大人気でいつしか女子の人だかりに埋もれていた。
あぁ、ダメだ。自分からなんて絶対行けないし、あのバーゲンセールのばばぁみたいになれないのよ!!
「わりぃ、はる行くぞっ」
例の女子達の間を縫ってこっちに来る。
うだーっとしていた状態から帰還。

