シンデレラの王子は。


「俺も!!そいつ、どこのチーム?」
「どこのチームか分かんないけど、赤いユニフォームで、7番だったと思うけど…」
彼はベンチに座って給水しながら少し考えてた。
「名前は?」
「神谷架嗄」
「…!!-----架嗄って、俺が前に話した奴だよ。お前、架嗄とどういう関係なわけ?」
「どういう関係って、双子の兄と妹ですけど…」
全然似てねぇ、とか嬉しいこと言ってくれんじゃん。ってかんじだったけど、予想以上に驚かれたからこっちまでびっくりしてしまった。
「っで、その大会にはあいあいは応援しに来てくれたの?」
「来てたけど-----なんでちょっと怒ってんの?」
「別に怒ってなんかないし」
「もしかして、妬いてる?モテる男は辛いなー」
アタシを嬉しそうにからかうの
「妬いてるわけないじゃん!バカじゃないの?!」
なぜかテンパってます。意味分かんないし、またムカついてきた。
「てかさ、お前、名前なんての?」
「…神谷羽海、そっちは?」
「神谷ね、俺は高橋彼南汰です」
「高橋くんね。よろしく」
「よろしく」
“高橋彼南汰”だって、何気にかっこいい名前してる。
「いたいたー!!」
声がする方に目をやると、架嗄がいて、アタシのとこめがけて走ってきた。