シンデレラの王子は。


出てきたはいいけど、どこに行こうかと思ってぶらぶらと歩いていたら、公園に着いた。というか、勝手に足がそっちに歩みを進めていた。
すごく久し振りに来たなぁとブランコに座る。
アイツを拒絶してしまった日から、なんだか会うのは気まずい気がして、それにあいあいとラブラブしてた時のことが重なったから、余計に会いたくなくてずっと来ていなかった。
このゴールに毎日シュートうってるのか。目を瞑るとボールをつく音が今にも聴こえてくる。
「ダンッ、ダンッ、ダン、ダンッ」
自分で言ってみたら、ウフフって笑ってしまう。
「『ウフフッ』じゃねぇよ」
誰かの声がする。慌て目を開くと、例の気まずい人が立っている。
「なんでいるの」
少し怒った風に言う。すると彼は、はぁ?というかんじで
「練習しに来たに決まってんだろ!!」
「ですよね」
「つーか、今日大会だったんだから、体力使わせんなよ」
「じゃ、練習しに来んなっ」
本当にお前ムカつくなって、ふきだしながら言うんだ。だから、アタシだってムカついてんだからって言ってやった。
「そーいえば、架嗄も今日試合だったんだっけ。もしかして同じ大会だったりして」
「なんの大会?」
「確か、全国大会」