『強ぇとこに行けば、幾らだって強ぇ奴はいるし、そういう奴と刺激し合って自分を強くしていくんだよ。今の弱小のチームじゃ、いつまで経ってもお前の才能は開花しねぇ!!!!強くなりてぇんだろ?俺に勝ちてぇんだろ?なら強くなれ。強くなるために場所と仲間を選べ。お前には充分過ぎるぐらいの選択肢があるだろ?
俺にはお前みてぇにすげぇ努力することなんか難しくてできねぇのに、そんな簡単に俺の目の前でやって見せやがって。
1回も言ったことねぇけど、俺は俺のライバルは架嗄だと思ってる。俺も強くなるからよ』
祐紗兄はバスケのことになるといつも熱くなる。人のことしっかり見て、最もなことしか言わないから、架嗄の心に刺さったみたい。目が潤っていたけど必死で堪えてる顔だった。
『俺、兄貴が羨ましいよ。すげぇ尊敬してるし、ガキの頃から兄貴みたいになりたかった。……けど、ぜってぇ兄貴なんかブッ潰してやっから、覚悟しとけよ!!!!
ぜってぇ勝つ!!!!!!』
架嗄が決意表明したら、どことなく祐紗兄の顔が嬉しそうに見えた。
祐紗兄は去り際、架嗄の頭に手を乗せて『楽しみにしてる』と言って自分の部屋に向かっていった。

