「今度は俺の番」

「へ・・・?」


そう言って、俺はゆっくりと口を開いた。

「最近、同じ夢をずっと見るんだ」
「色白の女の子が俺の方を見て笑ってる」

「へぇー・・・」

「だけど二人の距離がすげぇ遠いんだよ」
「“待って”って言ってもその子は行ってしまう」


ミズは俺の話を真剣な表情で聞いてる。

「それで俺、ミズに逢って気付いたんだ」
「あの女の子はミズなんじゃないか・・・って」


「え・・・私ですかっ!?」

「うん、最初見た時から何か
似てるなぁーって思ってた」


ミズは顔を少し火照らせ、恥ずかしそうに
こっちを見てる。


「昨日、見たんだよ・・・」

「夢を・・・?」

「うん、いつもの夢の“続き”を」


そう、いつもこっちを見て笑うあの子は
ミズの姿そのものだった。

─でも、そのミズの笑顔は、
本当の笑みではなく何処か悲しげに見えた。


その理由が、病気の事なんだろうか・・・?
と、そう俺は悟った。


「ヒロ・・・」

「ん?」

「私達って運命みたいですね」

「え・・・っ」

「まるで何かに引き寄せられた・・・」
「そんな感じしません?」


夏風に靡くミズの柔らかな髪が、
ミズの顔を隠す。


「・・・って、あっ!」
「ボタン取るの忘れてた!」

「あ、本当です・・・!」


そして、俺たちは二人で笑い合ってた。
心の底から─・・・。