─30分後─

俺たちはバス停に戻った。
バスはまだ来ていないようだ。


「ヒロ・・・」

ミズがそう言って俺の手を握ってきた。

「え・・・、ミズ・・・?」

「ありがと・・・ございます」


ミズの顔はミズが俯いているせいで
見えなかったけど、声が震えているから
泣きそうなんだと思う。


「ミズ・・・」
「お礼を言うのは俺の方だよ」

「・・・ぇ・・・?」


小声で『え』と言い、やっと俺の方を向く。


「ミズに逢えてよかった・・・」
「ありがとう」




『ありがとう』と言った瞬間。
ミズの手が俺の手から離れる。


「ミ-・・・」

名前を呼びながら振り向くと・・・
ふらつき倒れそうになっているミズが居た。



「み、ミズ・・・っ!?」

俺は倒れそうなミズの身体を支える。



「ミズっ?ミズっ!?・・・」



「ミズー・・・っ!!」