ゾンビのヒットマン

「へなちょこ様」


ああ、なんて可愛い声だ。

だが、この声も今はもう、聞きたくない。

つらい。

部屋の隅で体育座りしたい。


「人間に戻りたいですか?」


なんと、戻る方法があるというのか。

今すぐ戻りたい。

そうすれば死ねる。

すぐに≪ムカイビル≫へ向かって、屋上から飛び降りよう。


ああ、グレーマスクが抱き合ったままポケットから“ゾンビパウダー”を出して、デスクの上に置いている。

ついでになんだろう、その横にメモ紙も置いたようだ。

女のぬくもりが伝わっているであろうビンと紙。

ああだが今は、その体温すらもつらい。


「へなちょこ様。その“ゾンビパウダー”をもう一度飲めば、元の身体に戻れるはずです。でも、死のうなんて思わないでください」