ゾンビのヒットマン

「なぜだ! なぜせっかく可愛い声に戻したのに、また男の声に変更するのだ!」


『なぜそこなのだ! 他にもっと聞くことがあるだろう!』


他に聞くべきコト。

そうだ、忘れるところだった。

私にはもっと、聞くべきコトがある。


「もじゃブタのどこに惚れたのだろうか?」


『……おそらく、オレが先読みしていなければ、君の策は成功していただろう』


「無視しないでいただきたい」


『オレは君の身体に“ゾンビバウダー”を入れたとき。一つの命令をした。今後、どんなことがあっても、“ターゲットの命令は聞くな”と』


確かに、聞き覚えがあった。

記憶を失う直前。

私が聞いた、“ボス”の最後の言葉だ。


『ターゲット。つまり、もじゃブタの命令は聞くことができない。矛盾する命令は打ち消されるという“ゾンビパウダー”の特性だ』


「……ひとつ、質問させていただきたい」


『なんだろうか』


「もじゃブタが恋人だというのは本当だろうか?」